落ちたくない。



死因が学校でのロッククライミングだなんて、馬鹿げてる。






落ちたくない。






落ちたくないのに…。







プルプルと腕が震えてくる。





普段使わない筋力を使いまくったあたしの腕は、すでに悲鳴をあげていた。





ロープが手に食い込む。







死にたくない。
こんなところで。

早く、早く。










三階まで、あとどれくらい?






ふっと上を見てみると、部屋の光と星空のなかに、こっちに向かって伸びる手を見つけた。





あたしも必死に手を伸ばす。






もう少し、もう少しで…。