「な、な、なんでしょう?」 まだ心臓がバクバクいってる。 ビクビクしながら、あたしは影にたずねた。 「あんさ…、さっき歌うたってたのって、あんた?」 「そ、そうですけど…」 変なこと聞くなあ。 歌ってるのが誰かなんて、どうでもいいはずなのに…。 ってか、幽霊じゃなさそう。 よかった。 ん? いや、でも、なんで夜の学校に人がいるの? 普通、あり得ないよね。 あたしが一人で困惑してると、 「ねぇ」 また喋りかけてきた。