「数少ない主役になれるってそれは、俺が人生脇役なポジションってことか?」
「え?違うの。
だから、そんな恭ちゃんの良さをわかってくれてる綾さんには感謝だね。」
綾さんは、恭ちゃんの大学での後輩さんなんだって。
凄く可愛らしい子だ。
「まさか、恭ちゃんが一番に結婚するとは思わなかった。」
「確かに。
恭介は最後に結婚しそうな雰囲気あったわ。」
「抜かれるなんて思わなかった。」
「待って、みんなにとっての俺って何なわけ?」
「「「さぁ?」」」
会場中に響き渡る笑い声。
あの頃のようだった。
「楽しそうじゃん。」
「あ、雄貴。」
「雄貴ー、皆が俺を虐めてくるよ。」
恭ちゃんは、泣きマネをしながら雄貴に駆け寄る。
「虐めてないよ。
人聞き悪いなー、雄貴からも言ってやってよ。」
あたしは、あの時の事が嘘のように平然としていた。
恭ちゃんと唯は、若干驚いてたけど。
「恭介、嘘言うの良くないぜ。教師として注意しとくわ。」
「え、なんか味方いない気がしてきた。」
「恭ちゃんの味方なんて……」
「「「居なくね?」」」
あたしと唯と雄貴の声が、綺麗に揃った。
おかげで、予想してた以上の笑いが起きた。

