「俺は、本社で仕上げることがあるからしばらくは同じ職場じゃないね。
しっかりやるんだぞ。」
保さんは、頭をクシャって豪快に撫でた。
すると、何かに気がついたのか、あたしをジッと見てる。
「これ、付けてくれてるんだな。」
あたしの胸元に下がってるネックレスを指していった。
それには、保さんがくれた婚約指輪が通してある。
「せっかく貰いましたし、まだ婚約中ってことですし。
ですが、あたし指輪が嫌いなんでネックレスにしたんですよ。」
それだけ聞くと、保さんがふんわりと笑って仕事があると帰っていった。
あたしは、保さんの後ろ姿に手を振って荷物を整理する作業へと戻った。
キラン
下げていたネックレスが、光りに反射して輝いていた。
「連絡しなきゃな、帰ってきたって。
そして、婚約のことも。」
荷物の整理を後にして、あたしは実家へと足を運んだ。
足を運んだ実家にいたお母さんに婚約のことを話すと、安心したように喜んだ表情をしていた。
後日保さんと共に家にいらっしゃっいって言ってくれた。
婚約をしようと言われた、冬。春の初めに親に報告した。
結婚まで、あと「約11ヶ月」

