ドアの方を見るとそこには……
「女の子?」
「西澤毬乃だね、あれ。」
振り向くと、雅と美夜がいた。
「結構、人気あるってさ。
西澤毬乃。」
ふぅーん。
可愛いもんね、おしとやかそうで。
なんか、守ってあげたくなりそうな。
「西澤毬乃……。どっかで聞いたような。」
美夜は、一人難しそうな顔をしていた。
それを知らないあたしは、ただ単に、西澤毬乃のことが気にかかっていた。
「何の用だろう。」
「あれあれ、何か気になってる感じ?」
「別にそんなんじゃないんだけどさ。」
なんか……。
=放課後=
「もー、なんで先に帰るかな?」
今日に限って二人とも先に帰るんだもん。
待っててくれてもいいじゃんかよー。
「浅倉さん?」
「ん?」
そこには、笑顔でこっちを見る西澤毬乃がいた。
「えっと……西澤さんだよね。どうしたの?」
「私、浅倉さんとお喋りしてみたかったの!」
あたしとお喋りして見たかった?
その時は、何も知らないでいたあたしは普通に西澤さんと話していた。

