『俺は好きだけどね、そういう“直感型”の人間。
だから…そうだなぁ…。
うちに籍だけ置いとく形にしといたら?仕事がきたら連絡するし、それ以外は好きなことをしてたらいいよ。
その方がきみには合ってると思うし』
まさかそんなことを言ってもらえるなんて思ってなかった。
でも風来坊の俺には確かにその方が合ってるのかもしれない。
いや、合ってたんだろう。
だって実際、それ以来俺は事務所を変わることはなかったんだから。
まぁそんなわけで、腐ってた俺だけど社長のおかげでまたライターとしてやっていけるようになった。
本当に社長には感謝してもしきれない。
だけどそれと同時に気付いたんだ。
俺の風評如何で社長もこの事務所の評判も左右されるってことに。