「あら、樹くん。久しぶりじゃないっ!」
カウンターに座った俺に『元気にしてたの?』って続けながら水をコトンッと置いたおばちゃん。
「あんまり来ないから風邪でもひいて寝込んでるんじゃないかって心配してたのよ〜?」
でも元気そうで良かった…って言いながら笑うおばちゃんに胸がジーンと熱くなった。
俺なんかを心配してくれる人がいるなんて……都会もまだまだ捨てたもんじゃないな…なんて感動した。
「ちょっと仕事が立て込んでただけ。それより、もぉ〜腹減って、腹減って…。
いつものカレー食べさせて。あ、サラダセットの大盛りでっ!」
いつも通りの注文をし、「はいはい」なんて言って奥に消えるおばちゃんの背中を見てると。
そう言えば…田舎のお袋は元気にしてるだろうか??……なんて、柄にもないことをフッと思った。