その何とも言えないギコちなさや明らかに気まずそうなおばさんの態度に俺は申し訳なさを感じ、呼び止めてしまったのはこっちだが俺は挨拶もそこそこに早く立ち去ろうとした。


「こんばんわ。
今日は冷えますね。

早く帰らなきゃ風邪ひいちゃいますね」


おばさんにはそれで伝わったと思った。

おばさんも同じように「そ、そうね。2人も気をつけてね」そう言ってまた歩き出そうとしていたから。


それなのに…。


「ちょ、ちょっと待ってよ!
もぉっ!イツキさんはっっ!」


またもおばさんを呼び止め、おまけに俺は鈍いと言わんばかり睨む。


鈍いのはどっちだっ!
空気を読め、空気をっっ!!


そう小声でつっこむも、俺の願いは虚しく…。