声をかけたものの、聞こえてないのかおばちゃんは俺たちの横を通り過ぎようとする。


大丈夫か…?
でも酔っ払ってる風ではなさそうだ。

何かあったのか…?
この前もどこか様子がおかしかったし。


目の前を通り過ぎるどこかいつもとは違うおばさんを見ながら俺があれこれ考えてる内に素直は大きな声でおばさんを呼び止めていて思わずギョッとした。


そっとしとけよ!
わざわざ呼び止めてんじゃねぇよっ!


…なんて願いは虚しく。


素直の声に弾かれたように立ち止まったおばさんは慌てて振り返り俺たちをみた。


「あら…!
2人共…こんな寒い中デート?」


とてもぎこちない笑顔を顔に張り付け、俺たちを気遣うおばさん。