「イツキさーん??」


幸せな妄想の最中にいきなり呼ばれ。

俺は慌てて手にしていた箱を服のポケットにねじ込んだ。


「あ、いたいた!
あのね~??」


部屋にいる俺を見つけた素直はそのまま部屋へ入ってきて。


「??何してたの?」


「べ、別に?
パソコンでもつけようかと…」


俺の挙動不審さに疑いの目を向ける素直。


目を合わせまいとする俺の無言の攻防戦が数秒続いたが、「まぁいいや!」と早々に切り上げられた。


「あのね、買い物いきたいの」


「今から?」


部屋の時計を見れば18時少し前。


いつもならもう少し早く言うのにめずらしい。