2年前のプロポーズは予定外のことだった。
…と言っても、その気持ちがまったくなかったわけじゃない。
年も年だし、身を固めるなら素直といつか…と思ってたし。
でも指輪も何もなくて。
気持ちも言葉も真実ではあったが、言葉は悪いけどあの時は勢い的なところは十二分にあったから。
改めて申し込もうとしている今ほどの緊張はなかった。
引出しを開け、ドラマなんかでよく観る指輪しか入らないだろう箱を手に取った。
これを渡した時、あいつはどんな顔をするかな…。
それを想像すると緊張に幸せが混じるんだ。
喜びに綻ぶ顔が見たいと。
目を見開いて。
言葉を失って。
涙を溜めて。
早く…そんな顔が見たいとさえ思うんだ…-----。