「そうだなぁ…。
長いことあそこに通ってるけど…。
定休日ってなかった気がするなぁ…」
今までを思い返してみたがこんなことは初めてだった。
「何かあったのかなぁ?」
「ん?まぁ大丈夫だろ。
案外、旅行でも行ってんじゃないのか?」
そんな話をしていたが、それから一週間ほど店は開かなかった。
だから店が久しぶりに開いてることを知ると俺たちは急いで店に行って。
素直はおばさんに無事に会えたことを喜び、俺はあの日から食べ損ねていたカレーにやっとありつけて満足していた。
それからいつもの食後の一杯を持って来てくれたおばさんに素直は休業の理由を尋ねた。
するとおばさんは一瞬顔を強張らせ
「なんでもないのよ。
ちょっと身内で色々あってね…」
そう言葉を濁しそそくさと奥へ引っ込んだ。