自分でも飽きれるぐらい素直に甘い俺はその年のクリスマスプレゼントにミシンを贈った。


今までプレゼント交換なんざしたことなかったのに。

こんな自分に自分でビックリだっ!

そう毒づきながらもプレゼントラッピングを頼む俺、、、。



『ほらよ』なんてムードの欠片もなく渡せば。
うっすら涙を浮かべて喜ぶ素直を見てれば悪くないな…なんて思ったり。



その日から素直の部屋からはカタカタとミシンの音が聞こえてきて。


相変わらず、〆切前になると部屋に籠る俺だけど。

その音を聞けば安心した。


寂しい思いをしてないんだと。

暇を持て余して、気を使ってテレビもつけずに静かにしてるわけじゃないんだと教えてくれるその音がいつしか心地良くなっていたーーー…。