あの後、生地屋に行くには行ったが、ウェディングドレスに使われてるような真白な生地を手にしない素直に「買わなくていいのか?」ときけば。


「まだそんなレベルじゃないもん。
失敗したらもったいないし、大体ミシンもないし。

もうちょっと練習して上達してからにする。

あ、大丈夫よっ!心配しないで?

イツキさんがヨボヨボジジイになるまでにはとりかかるからっ!」


ニシシシ…なんて笑いながら言うから頭を小突いてやった。


でもそうか…ミシンかぁ…。
そんなものうちにはないし…。

でもきっとあった方が便利だし、あいつは喜ぶだろうし…。


あれやこれやと、楽しそうな顔して生地を見る素直を眺めながらそう思った。


お誂え向きにも、今は12月。
街中クリスマスムード。


「………。」


買ってやるか…。