「頭では『時間がかかってもいつかは歩けるようになる』って思ってるんだけど、気持ちは逸ってたんだよね。
でもね、最近気がついたんだけど。
家でもすることもいっぱいあるんだよね~って。」
「んん??
それはまたどういう意味だ??」
「フフ…。
嫌味じゃないのよ??
嫌味じゃなく聞いてね?
〆切前になるとイツキさん部屋に籠っちゃうでしょう??
そしたら本当に退屈で。
することないのよ。
テレビ見ようかなとか思っても静かにしなきゃとか思っちゃって。
それに私車イスだから動くだけで物音たてちゃうでしょ?」
「そんなに気を使うな!
俺は全然そんなこと気にならないからっ!!」
そんなことを気にしてたなんて…!
今までどれだけ窮屈な思いをさせてたんだろう…。
あの家は俺だけの物じゃない、素直の家でもあるのに。
自分ちで寛げないなんて…。
今更だけど申し訳なさでいっぱいになった。