今までもこんな風に歩けるかもしれない…みたいなことは何度かあった。
もちろん、その予兆は何かしらの進歩に繋がってるからあながち素直が感じるその“予感めいたもの”がマユツバものなわけじゃないが…期待し過ぎるのも良くないだろう。
その度に頑張る気になって、いつもよりハードにリハビリに取組んで倒れたり熱をだしたりすることが多々あったから。
牽制の意味も兼ねて釘を刺したつもりなんだが、素直はいつもとちょっと違っていた。
「そりゃね、一日でも早く歩けるようになりたいとは思うけど。
でも…ちょっと違うのよ。
うまく言えないんだけどね、何か今までだったら早くその日がきて欲しいって。むしろこっちから迎えにいっちゃお!って感じだったの。
でも今は…その日がくるまで何して待ってよう…って感じなの。」
「どういう意味だ??」
「う~…ん??
自分でもわかんない。
でも諦めたわけじゃないのよ??
歩けるようになったら行きたいとこやしたいこともあるしね?
きっと今までが焦ってたんだと思う。
自分でも気付いてないところでそうだったんだと思う。」