「生地屋?生地屋で何買うんだ?」


「私ね…、もうちょっとだと思うの」


大好きなバナナジュースを机に置いて真面目な顔して俺を見た。


「ん?何が“もうちょっと”なんだ?」


「……歩けるようになるの…」


「…………。」


「…………。」


ポツリとこぼした後、沈黙が流れ微妙な空気が俺たちを包んだ。


ちゃんとわかってる。
こういう話は今までにも何度もしてきた。

リハビリを自らしたいと言いだした時もそうだった。

逸る気持ちの素直と、それを宥める俺。


だから慣れてる。
ちゃんとわかってる。