「生地屋?生地屋で何買うんだ?」
「私ね…、もうちょっとだと思うの」
大好きなバナナジュースを机に置いて真面目な顔して俺を見た。
「ん?何が“もうちょっと”なんだ?」
「……歩けるようになるの…」
「…………。」
「…………。」
ポツリとこぼした後、沈黙が流れ微妙な空気が俺たちを包んだ。
ちゃんとわかってる。
こういう話は今までにも何度もしてきた。
リハビリを自らしたいと言いだした時もそうだった。
逸る気持ちの素直と、それを宥める俺。
だから慣れてる。
ちゃんとわかってる。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…