まさか4年もかかるとは思ってなかったんだ。


いや、実際は歩けるようになるまで4年もかかってないんだけど。


あれから素直はリハビリを頑張って一時帰宅を何度か繰り返した。

だから退院する頃には車イスでの生活にはすっかり慣れて大体のことを自分で出来てるようになっていて。


だけど俺の強い希望から俺のマンションで一緒に暮らしだした。


出来る範囲でいいって言ったのに、素直はほとんどの家事をしてくれて。


悪いなぁとか、手伝いたいなぁ…って気持ちはあるものの、その頃の俺は雑誌の連載を複数抱えていて。〆切前になると部屋に閉じこもることもしばしばだったから素直の好意にありがたく甘えていた。


でも素直は退屈を持て余していたんだと思う。

〆切が近づけばどこにも連れてってやれないし、ろくに構ってもやれない。同じ家に住んでるとはいえ、部屋に閉じこもってることの方が多いから顔を合わすことが極端に減る。