あの日の俺のプロポーズを涙を流しながら受け入れた素直。


人生最高の瞬間だった。


指輪も何も用意してなくて。
思いつきも同然なプロポーズだったけど、素直を愛してることに変わりはない。


幸せにする。
これから先、ずっとそばにいる。


そう心に誓い、愛し合う2人で新たな一歩を踏み出す……はずだった。


でもいつかの素直の言葉を借りるなら…『現実はあまくない』だった。



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泣きやんだ素直はさっきまで腕の中にいた素直とはまるで別人で、、、。



「結婚、するけど今じゃないから」


そうピシャリと言い放ち、俺の腕から離れた。