看護師さんの言った通り、ガラッと扉を開ければものすごい勢いでこっちを見る素直。
それに顔が緩みそうになって。
でもそれを隠したい俺は素直の方をわざと見なかった。……本当は見れなかったんだけなんだけど。
だって鏡を見てなくてもわかる。
きっとしまりのない、不抜けた顔してんだろ?俺。
それでも何とか格好つけようとするバカな俺は。
「よぉ…!
遅くなって悪かったな!
待ってたんだろ?俺のこと」
なんて。
上擦った声で調子に乗ってそんなことを言ったもんだから…。
「………待ってないし。
バカじゃないの?」
冷たい視線にのせてそう吐き捨てられて終わった…。