そんな素直を隣で見てるだけの俺はいつも不甲斐なさを感じていた。
もっと素直の力になりたい。
助けてやりたい、そう思えてならなかった。
だけどーーー…。
どんだけ願っても俺が素直になれるわけじゃなくて。
俺があいつの代わりにリハビリできるわけでもない。
だから結局…一番近くであいつのがんばりを見てることしかできなかった。
そんなある日。
素直がポツン…とこぼしたんだ。
『カレー…食べたいなぁ〜』って。
「カレー!?
あ、『Cafe Olive』のか?」
「あそこのだったら文句なしだけど…。
でも、あそこには一緒に揃っていきたくない?」
「ん?どういう意味だ?」
「おばさん、私たちが一緒に行ったら驚くと思わない?それにきっと喜んでくれそうだしっ!」
「あぁ、そうかもな。
何の気、回してんだか色々世話してくれてたしな」
懐かしさに顔がほころんだ。