大した女だ…。
今はこうやって笑ってるけど、当時は壮絶だっただろうに。
事故に遭って入院したって誰も見舞いにこなかったってきいてる。
みんなが素直にチヤホヤして。
信用できない奴ばっかだけど、周りにはいつも人がいて。
蝶よ花よともてはやされていたのに。
失脚した途端、手の平返したように散って。
名声もキャリアも、それから足も…。
すべてを一瞬にして失なった素直。
どん底を見たって言ったって過言じゃない。
だけどそこから立ち直り、ここまで這い上がってくるまでどれだけ涙を流し、どれだけのものを諦めてきたんだろう。
俺には計り知れない孤独や涙、葛藤や闇を受け止めて、それでも尚、前に進もうとする素直が眩しいくらいに輝いている。
世界屈指の有名デザイナーが作った最高級の服を着て、最高峰のステージに立っていようとも。今の素直に勝るものは何ひとつだってないーーー…。