『あんたを好きかどうかわからない』ーーー…。
正面きってそう言われた俺はどうしたらいいのか。
何て言えばいいのか。
でも正直、何とも言いようがない。
無様に『好きになってくれ』と懇願すればいいのか。
格好つけて『そうか…』と納得すればいいのか。
わからない俺は何も言わずに俯く彼女を見つめていた。
おかしなもんで、予感めいたものがあったからなのか、俺はやけに落ち着いていて。
でも…片手にぶら下げてる彼女の土産がとても滑稽に思えてならなかった。
彼女を想い、彼女が好きそうだろうと選んだこの菓子と。
その時の自分が…とても哀れに思えて。
これ以上ここにいても仕方ない。
このままもう何も言わずに立ち去ろうーーー…。