「でも……もう今まで十分、独りで立って歩いてきたからもう休みたいっつぅならいくらでも担いでやる。
抱っこでもおんぶでも、お前一人ぐらいどんとこいだ。任せろっ!」
「………。」
「だから…頼むから、もう…『可哀相な子』だなんて自分で言うな。
『何で生まれてきたんだ』なんて考えるな。
『独り』……だなんて言うな。『独り』で泣くな。
俺が………いるから…!!」
なっ!……っと、念を押すように握りしめた手に力を込めれば彼女はまた泣いた。
俺をジッ…と見つめる目から涙をホロホロ零しながら。
「そばにいさせてくれよ…。俺が……いたいんだ」
今度は優しく彼女を抱きしめれば。
震える手を俺の背中にまわして。
ギュっと服を掴んで今まで溜め込んでたものをすべて吐き出すかのように泣いた…−−。