思わず目を背けてしまいたくなる彼女の“現実(いま)”を目の当たりにした俺は…−−俺にできることなんかない。何も言えねぇのに…来るんじゃなかった…−−−後悔した。


でも今更後悔してももう遅く−−。


踵を返し外へ逃げ出すことも、彼女の元へ進むこともできない俺はただその場に突っ立っていた。


しかし…というか、当然というか。


部屋に入ってきたもののその場から動きもせず、話しかけもしない侵入者を不審に思った彼女がこちらを向いて。


バチッッ−−…と合った目に今更驚き、そして何より気まずかった。


でもそれは彼女も同じようで俺を見た彼女はサッ…と目を逸らした。


だから余計に微妙な空気が部屋を包み、何か言わなきゃ…と思えば思うほど何も思い浮かばず…。


困り果てた俺は頭をかいて床を見つめた。