だとしたら…あいつはこれから先を生きてく希望や楽しみ、もしかしたら意味さえ見出だせないだろう。
絶望の淵にたった1人で立ってんだろうな…。
だから“死んだことにしてくれ”なんて…。
俺は重いため息しかでなかった。
俺にしてやれることなんて何もないだろう。
誰にも会いたくないなら、その例に漏れることなく俺にだって会いたくないだろう。
それでも……こんな話しを聞かされて、放ってなんかおけねぇから…。
「会う……だけだからな。ちょろっと顔見たら…すぐ帰るぞ。
それから変な期待すんなよ?俺は……励ましの言葉も気の効いた言葉も言えないからな」
そう強く念を押して。
「先パ〜イ…!」なんて涙目にして情けない声を出す遠藤はおいて。
病棟目指してズンズン歩きだした…−−−。