その日は予定していた時間より早くに仕事が終わったから今日はゆっくりしようとさっさとホテルに帰ってきた。


風呂上がりの一杯を飲んで、特にすることもないからテレビをつけた。


時間は21時を少し過ぎた頃だったと思う。


映し出された映像はどこかのデカい病院前からリポーターが状況を話すところだった。


しかしそのリポーターの後ろに何十人もの報道陣やカメラが病院前に詰めかけているようで、何かあったのかとチャンネルを変える手を止めた。


『人気スーパーモデルのNaoさんが大型トラックにひかれ、こちらの病院に緊急搬送されてから3日が経ちますが、以前意識は戻っておらず予断を許さない状況が続いております。また、Naoさんの容態については…−−−−−−』


はっきりとした口調でそのリポーターは状況を克明に伝えていたが、俺には信じられなくて。