その可能性は100%否定できないと思う。


ありえそうな展開だし、むしろそうであって欲しいとさえ願ってしまう。


逸る気持ちを抑え、冷静さを装った俺は咳ばらいを一つしてから通話ボタンを押した…−−。


「……もしもし?」


「あ、もしもし、先輩!?

読みましたよっ!先輩とNaoちゃんの対談記事!最高じゃないっすか!!」


だけど……期待は大はずれ。ディスプレイに表示された通り、遠藤だった。


「あ〜…うん。サンキュ」


期待はずれな結果に気の無い返事を返せど、遠藤はそんなことはおかまいなしに俺の記事を褒めちぎってくれた。


どこが良かったとか、彼女らしさが出てたとか。

彼女の本質的なとこも伝わってきたし、意外性も話題性も十分だ、と。


一読者…というよりは、編集長クラスの意見を語る遠藤。