でも、カウンター席にも窓際の席にも彼女の姿は無くて。
会えたらいいな、居たらいいな…ぐらいの気持ちでここへきたつもりなのに。思いの外落ち込み、残念に思う俺がいた。
時計を見たら午後2時過ぎ。
もしかしたらこれから来るかもしれない。
そんな気休めを頭の隅に、今はカレーが来るのを待った…−−。
普段のこれぐらいの時間はあまり人がいないのに、今日は比較的お客が多くて。
引っ切りなしに聞こえてくる鐘の音につい反応してしまう。
その後も入ってくる客の殆どが女性客ばかりで、そういえば近くに女子大があるとか言ってたことを思い出した。
気がつくと、カウンターに座ってカレーを食べてる俺以外の客はみんな女性でちょっと恥ずかしくなった。
その理由は…あいつに見せようと持ってきた特別号のせいかもしれない。