「彼女は…とても“人間くさい”人のようだな」


「…え?」


「もっと…そうだな、一言でいうと『傲慢』な人かと思ってたが…どうやら誤解してたみたいだ。

お前のコレを読んでたら今まで彼女のイメージにはほど遠かった、気さくさやユーモアが伝わってくる。

それに『スーパーモデル』と『カレー』なんて…想像もしてなかったよ。

ファッションの話や世界のトップで活躍し、今もなお走り続けるプレッシャー……無難にそんなとこだろうと思ってたのに。まさかカレーとはな…。

まぁ誰もが食べたことのある身近なもので親しみやすさもあるし…いいじゃないか。上出来だ」


フッ…って社長はご満悦の笑みをもらしたから。


俺は一気に力が抜けた。


肩に入ってた力だけじゃなくて、背負ってた重たい荷物からも解放された気分だ。