彼女は不敵に笑って踵を返すと、カランカラン…小気味いい鐘を高らかに鳴らして出ていった…−−−。



「………よっっっっしゃあぁぁぁぁーーー……!!」



俺は歓喜のあまりその場にガッツポーズをして叫んだ。



それにはおばちゃんも、寡黙な頑固親父さえも驚いて奥から飛び出てくるほど。



でも今の俺には周りなんて関係ない。

直ぐさま財布を取り出し会計を済ますと、今さっきまでしてた彼女との会話の一言一句を忘れないように走って家まで帰った。


その時の俺は着てきたコートを片手に持って、大嫌いな寒さを忘れてしまうほど夢中だった…−−−。