「あら、こんなところにあったの?私のドレス。
探せばちゃんとあるんだからみんな探してよ〜」
重苦しい空気を吹き飛ばすかのように明るい声でそう言ったのは他でもない、被害者であるNao。
みんなはその声にまた明るさを取り戻し、口々に『見つかって良かったね』『今日は災難だったわね』そうNaoに言葉をかけた。
みんなNaoの機転や懐の深さ、心の広さに胸を打たれたらしい。
それは犯人も同じだったようで、自分の行いを恥じ、罪の意識からショーのあとの打ち上げでNaoに近づいて謝った。
しかし−−−…。
懐が深く、心優しいとされたNaoは一変。
彼女を人気のない場所に連れていくと胸ぐらを掴み、グッと顔をよせると…−−−『次やったらぶっ殺す』…−−−そう囁いたそうだ。
俺は腹を抱えて笑ってしまった。