「…対談!?俺が!?」
素っ頓狂な俺の声が響いた真冬の昼下がりの社長室。
「うん、そう。」
だけどこの豪華な部屋の主は至って普通のトーンで、至って普通に答える。
そんなサラッと返されると動揺を隠せず狼狽する自分が何だかすごく滑稽に感じるが、でも驚ろいたんだから仕方ない。
だって俺は……。
「対談………苦手なこと知ってんでしょ?」
弱々しくそう吐き出しながら座り心地抜群の黒いソファーに沈んだ。
「まぁ…そう言うなよ。
お前が苦手なのは知ってるが、今回の相手は一筋縄じゃいきそうにないんだ。
相手を上手にのせて言葉の裏側や曖昧さを鋭く見抜けるお前なら何とかなるんじゃないかと思ってさ?」
―……な、頼むよ〜??
ニカッと笑って押しつけようとする社長。