ドンドンと、花火が連続して打ち上がる。

あの二人は、まだそこにいた。



「みぃちゃん、綺麗だね」

「…そだね」

もう花火どころじゃない。

あたしの視界から、あの二人が消えることはない。



「みぃちゃん、もっとこっちおいで」

「…うん」

もう、あいつは関係ない。

あたしは気を取り直して、健太に近づく。

健太はレジャーシートに置いたあたしの左手に、そっと右手を重ねた。