ドンと、最初の花火が打ち上がる。

その音に、みんなが空を見上げる。

あたしだけ、空を見てなかった。

ただ、あいつの後ろ姿を目で追いかける。



あいつも、唯香ちゃんと来てたんだ…

ピンクのフリフリした浴衣を着た唯香ちゃんが、瀬戸内の腕に両手でしがみついている。



「みぃちゃんも、座ったら?」

レジャーシートの横にしゃがみ込んだままのあたしに、健太が手招きする。



「…うん」

ぼんやりうなずいて、あたしもレジャーシートに座る。