「ねぇ貴斗、あっちの方がよくない?」

その声に、反射的に振り返る。



「みぃちゃん、どうしたの?」

聞き間違えなんかじゃない。

瀬戸内と唯香ちゃんが、腕を組んで歩いていく。



「…みぃちゃん、大丈夫?」

健太の声に、ハッと顔を上げる。



「なんでもない…」

健太には、気づかれたくない。

もちろん、あの二人にも…