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スピーカーから流れる狂った声を聞いた瞬間、体が勝手に動いていた。






嫌な予感はしていた





授業中に見た空



霞のようなちぎれ雲の浮ぶ青い空









“あの日”と、同じ空






放課後の突然鳴るチャイムも



嘲笑うような、狂ったこの高い声も




私は、知ってる





嘘だと思いたい


冗談であってほしい




頭の中で必死に否定を繰り返しても、体が言う事を聞かない。


焦りと不安が迷うことなく真直ぐ下駄箱へと足を運ばせる。



『それでは“所有者”の皆さん。頑張って下さいねー』



性別も判断できない異質な声がスピーカーから、私の脳に、刺さるように響いた。



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