『もしも~し、こんにちは生徒諸君っ』


「っ何、この放送」


 ドラマとかで誘拐犯が電話に使うような、高い声。

 生理的に不安を煽るその声は楽しそうに笑いながらつづける。



『さぁさぁ始まるよ。楽しい楽しいゲームのスタートだぁ』


 明らかに異常な放送に学校内外から生徒達がざわつき始める。



――誰かの悪戯…?


 少しパニックになった時、私の横を小春が走り過ぎて行った。


「え、ちょっ小春?!!」




 通り過ぎざまに見えた小春の顔は、真っ青だった。