そうこうしている内に階段を下りきり――このまままっすぐ進んだ先の――下駄箱へ向かおうとした時、不意にチャイムが鳴った。

 この時間に鳴るはずがないそれに自然と足を止める。


「小春……?」


 振り向いてみると、私の一歩後ろで小春が固まっていた。

 どうしたのだろうと不思議に思い声を掛けようとした時だった。