「でも、それにしても今日のお兄さん達、変だ」





ぼそっと洩らした真崎の言葉は、英訳をしていた俺には聞こえなかった。







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午後の授業が終了した。



英訳のほうは無事に授業30秒前に終わり、当てられても答えられた。



あと、前から気になっていたんだが、俺が当てられて答える度に、主に女子の視線がくる気がするんだが。気のせいなんだろうか。




「朔夜ー。一緒に帰ろうよ。こないだ言ってた店寄りたいんだ」



「あー‥‥‥。明日じゃ駄目???」





正直今日は兄達の攻撃のほうが恐ろしい。





「お??おにーちゃん達が恐いんでちゅかー??」





ニヤニヤして俺の心を読む真崎。もうホントなんでこいつダチなの。





「うっせぇ真崎。その口塞いでやろうか」



「あっはー☆もう朔夜ったらお・ま・せ☆」



「なるほど、真崎は殴られたいんだな。望み通りにしてやろうか」



「顔は止めろよ??」





こんな奴でも女の自覚はあったのか。



臨戦体制に入ったと見せかけた手を戻し、その手で素早く帰りの支度をする。