「ねぇねぇ、朔夜。今日のお弁当は俺が作ったんだよ☆」



「何言ってんだよ凪。俺も炊き込み飯作ったろうが。朔夜、俺が作った炊き込み飯ちゃんと食うんだぞ??」



「‥‥‥‥朝からうっせぇんだよシスコンツインズが。ちなみに何の炊き込み飯だ」



「「山菜とタケノコ」」



「神ツインズにしてやろう」





タケノコは好きだ。やはり我がシスコン兄。妹の好物を良く理解していらっしゃる。



ただ、な。



ただでさえ狭い、このエレベーターで、両脇からぎゅうぎゅう圧迫されるのは、実に不本意かつ不愉快だ。いつも以上の圧迫感に、いい加減辟易する。





「てめーら暑い。邪魔。」





えー??と、不満そうな兄達を押し退けながら、ようやく開いたエレベーターから出る。迷惑な兄らだ。



夏だし外の方が暑いはずだったのに、逆に爽やかに感じるとはどういうことだ。



思わず、一つため息をついた。


―――ため息一つで兄が大急ぎで心配し始め、俺の周りだけまた気温が上がった。