真崎が「最悪」の判子を脳内でしっかり押した外国人が、いきなりコロコロ笑いだした。





「キミ達、サクヤのお兄さん達だよね??」





目が合った真崎を無視し、景と凪に話し掛ける。





「懐かしい日本に帰って来て、愛しのサクヤに会いに来たんだ。だからさ、」





外国人が一気に二人との距離を縮める。







「 ジャマ、しないでね 」







そう言った外国人の表情は、先ほど朔夜に向けられた純粋さや、ひたむきさは感じられない。


ただただ、冥く深い、底なし沼のような底しれなさがあった。


現に、外国人の目が、自分の行く手を遮る者は容赦しない、と暗に言っている。



真崎は、こんな奴に気に入られるなんて何をしたんだ朔夜、と思わずにはいられなかった。





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