そんな事言われても無理だ。


私はもうシキを好きになってしまったし、そもそもシキの方から私に近づいてきたんだから。


「嫌。」


そう言うと、女が赤いヒールをカツカツと鳴らしながら私に近づいて来る。


暗闇からだんだんとその女の人の全身が見えるようになる。


私なんかより、スタイルもいいし、美人だ。


「シキ様はこんな女のどこを気に入ったのかしらね…」