少ししてから有美が寝室へ入ってくる気配がした。 有美は俺の隣へ来ると、少し様子を見て、俺から離れるのを感じた。 すかさず、有美の手を掴む。 「…シキ?」 俺が黙っていると、また有美はしゃがみ込んでどうしたの?と聞いてきた。 「…お前は、俺が国王の息子だと知って、どう思った?…やっぱり、世界が違うか?」 有美の顔をゆっくりと見てみると、思いつめた顔をしていた。