…さ、3歳差だ。




もしかして、本当にあの“ひな”か?




違う確率の方が格段に上だが……。




「おい、山井」




講義が終わり、気付いたときにはもうアイツを呼び止めていた。




山井は一瞬驚いた顔をしながらも、すぐに笑顔になる。




「さっきの話、まだ有効か?」




「え?」




「家庭教師。」




それだけ言うと、山井はパッとさっきとはくらべものにならない笑顔を見せる。




「有効、有効!教師になってくれんの!?」




…いや、正確に言えば家庭教師な…。




「教師がしたいってワケじゃないけど……。バカには興味あるから」




“教師がしたい”なんて言えば、嫌でも続けなきゃならなくなる。




同姓同名のヤツだったら、即効やめるし…。




まぁ、取りあえずあの春沢ひなか確かめる、それが最優先だ。




「あ…そ。なんでもいいけどありがとな!じゃ、また連絡する!」




山井は不思議そうな表情を浮かべながらも、手を振って走って行った。




まさか本当にひなだったとは、夢にも思わなかったけどな……。










「ひな、頑張ってるみたいじゃん?テストよかったってさ」




悠河のそんな言葉で、トリップしていた心が戻ってくる。