――いきなりケータイのメロディが流れ出す。


開いてディスプレイを確認すると、知らないアドレスのメールが受信されていた。

おまけに、多分だけど、短い間に何件も同じアドレスからメールが来ていた。


その中で最新のメールを見た。


《本多だけど。

さっきは……悪ぃな。

ごめん。

明後日の日曜、梶原と決着をつけるために、高校の隣の進学校の弓道場に来て》


本多君のアドレスだったんだ……。


それにしてもこの文面、梶原先生と決着をつけるため……ってことは、何か勝負事でもするってことかな?


 ……そして私は気づいた。

まだ、文章は続いてるってことを。

まだカーソルが下に行ける。


私は可能な限り、下キーを押し続けた。