「とりあえず、こんな感じなんだけど。頭に入ったか? ……入ってなかったら、もっ一回……」

「っ!? だ、大丈夫ですっ」

「そっ?」

本多君は私の表情を見るなり、小さく笑っている。

 ……相変わらず、意地悪だ。


「そっか、ならいいんだけど。あ、これ、明日もやるから。明日は息の仕方な」

「は、はい」

あ、明日も同じことするんだ……。


「……暗いから送る。これも、恋愛指導としての一環な」

「はい……」

指導。


やっぱり、本多君はキスとか、その……上とか。

私なんかより経験が豊富だから、私はその“経験”の中には入れなくて、結局は“指導”しかないんだ……。