* * *


「菅原。そうやってすぐに迷うんだから、いい加減やろって」

「い、いいんですっ……」

私たちは今、手をつなぐかどうかを争っている。


本多君はつなごうと言ってくれるけど、やっぱり恥ずかしい。

それに……。

今はあくまで『恋人の指導』ってだけで、本多君とはそんな深い仲じゃないから……。


「……言ったろ? 今は俺たち、カップルなんだぞ? これじゃ、意味ねぇだろ」

「……っ」

確かにその通り。

でも……、やっぱりそれでも。


「……いやなんです」

「はっ?」