――翌日、約束の日。

待ち合わせまで、あと2時間。


私はそれまで、ずっと服を選んでいた。


「うーん……。どれがいいのかな?」

本多君とデートなんて、夢みたい……。

たとえ、形だけのものでも、うれしい。


「うん! これにしよ!」

私は決めた服を着て、新しいパンプスを履いて待ち合わせ場所に向かった。


本多君、少しでも気に入ってくれるかな……?


そんなささやかな気持ちが私を動かしてくれた。