本多君と恋人のふり……てこと、だよね?

い、いいのかな……?

そんな贅沢するみたいな感じの……。


それに、明日は土曜日。

休日に本多君と会えるなんて……。


「菅原?」

「え? あっ……?」

「どなわけ?」

本多君はじっ……と私を見る。

 ……その瞳に射抜かれてしまいそうな眼差しで見られて、心臓があり得ないぐらいにドキドキしてる。


「……い、行きます」

「よし。……て、無理って言っても、無理やり連れてくけどな」

本多君はまた、口元を歪めた。


 ……私、おかしいのかな。

本多君の意地悪で、強引な。

でも、ときどき見せる意外な一面に、違うドキドキを感じるのは……。